ご案内の最近のブログ記事

sun産業技術総合研究所の石川有三・招聘(しょうへい)研究員は1707年に西日本などを襲った「宝永地震」の規模が、東日本大震災並みのマグニチュード(M)9級だったとの分析結果をまとめた。古文書の記録から算出した。従来はM8.6程度と推定され、西日本でM9級の地震は知られていなかった。政府や自治体の防災計画に影響する可能性がある。

 

 

 静岡市で12日に始まった日本地震学会で発表した。

 石川招聘研究員は江戸中期に起きた宝永地震による建物の被害記録を古文書で調査。静岡市から四国西部に至る、直線距離にして590キロメートルにわたる地域が震度6以上の揺れに見舞われたと推定した。M9.0の東日本大震災の445キロメートルを上回る。この距離を専用の計算式に当てはめると、宝永地震の規模はM9.2となった。

 別の方法による計算もした。宝永地震後1カ月の間に余震が起きた地域の面積を東日本大震災と比べた。同地震の余震域は長さ830キロメートル、幅240キロメートルに及び、面積が東日本大震災よりも4割広いことからM9.1と算出した。

 政府の地震調査委員会は従来、宝永地震の規模をM8.6と推定していた。国内でM9以上の地震を観測したのは東日本大震災のみ。M9級の巨大地震は東北沖では400~600年周期で発生しているとの研究があるが、西日本で起きたとは考えられていなかった。

 宝永地震は四国沖の「南海地震」と紀伊半島沖の「東南海地震」に加え、駿河湾の「東海地震」が連動して起きたとの見方がある。産総研の分析結果は東海~四国の地域で、将来もM9級の地震が起こりうることを示す。政府の中央防災会議の地震・津波対策指針や、自治体が作るハザードマップの見直しが必要になる可能性がある。

sunスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)の旧機種の値崩れが進んでいる。利用者の伸びは続いているが、14日に新機種が発売される米アップル「iPhone(アイフォーン)」など一部機種に人気が集中し、優勝劣敗が鮮明となりつつある。安売り拡大は値引き原資を負担する通信各社の収益圧迫につながるほか、国内外の端末メーカー間の競争にも影響を及ぼしそうだ。

 

 

スマートフォンの値引き販売が広がる携帯電話販売店(東京都千代田区のテルルモバイルNeo秋葉原店)
 

スマートフォンの値引き販売が広がる携帯電話販売店(東京都千代田区のテルルモバイルNeo秋葉原店)

 

 都内各地の家電量販店などでは10月上旬、NTTドコモの「MEDIAS N―04C」(3月発売)を4980円(新規契約、一括払い)などで販売。この2カ月で約8割下がった。約20の販売店がひしめくJR秋葉原駅周辺では「EVO WiMAX」(au)など一部機種で「0円」表示も登場。関西圏でも大阪・日本橋などで値下がりが目立つ。

 調査会社のMM総研(東京・港)によると、携帯電話契約数に占めるスマホの割合は2010年度末の1割弱から11年度末には2割強に伸びる見通し。通信各社は米グーグルの基本ソフト「アンドロイド」搭載機種を中心に50モデル以上を発売した。ブランド力やデザインに特徴のある新機種に人気は移りがちだ。

 このため旧機種の処分売りや在庫調整が、年末商戦向けの新端末投入を控えて広がっている面もある。14日にソフトバンクモバイルとKDDIが発売する人気機種「iPhone4S」で容量16ギガバイトの機種は事実上0円で購入できることも、他機種の安売りに拍車をかけている。

 販売店は通信各社からの手数料を値引き原資とするが、競争激化で「利益を削り台数をかせぐ消耗戦になる」(大手販売代理店幹部)との声もある。新機種発売後、現行モデルは一段と値下がりするとみられる。

 値下がりで国内携帯電話メーカーも通信会社から納入価格の引き下げを迫られそうだ。日本市場中心の端末はグローバル展開する海外メーカーに比べてコスト削減の余力が限られ、「値下げを求められると海外勢が有利」(国内メーカー)との声もある。

 消費者も新製品を待ち様子見。調査会社のBCN(東京・千代田)によると、スマホの販売台数は7、8月は前年同月比約3倍だったが9月は約2倍にとどまった。

 

政府は7日、東日本大震災の復興対策として復興特区の新設企業の法人税を原則5年間実質無税にする新たな減税案を固めた。同日、被災地を対象に規制などを緩和する復興特区法案、司令塔となる復興庁の設置法案の大枠を決定。これらを裏付ける2011年度第3次補正予算案と復興増税案の概要も閣議決定した。民主、自民、公明3党は臨時国会に向けて政調会長会談を開き、政策協議を開始した。

 

 

 

 政府は7日開いた東日本大震災復興対策本部(本部長・野田佳彦首相)で、復興特別区域(特区)法案と復興庁設置法案の概要を了承した。復興特区には規制緩和や税財政上の優遇策を用意。復興庁は来年4月までに設置し、自治体や各省庁との調整にあたる。与党内調整や与野党協議を経て、今月下旬にも開く次期臨時国会に提出する。

 政府は同日、特区の税制優遇として、沿岸部の特区に限り新設企業の法人税を5年間実質ゼロにする追加の優遇策の概要を固めた。他の特区税制を含め、法人税ゼロは前例がないという。これまで設備投資の全額を初年度に減価償却したり、雇用した被災者の人件費の10%を法人税額から控除したりする制度を発表していた。

 追加の優遇税制は2015年度末までに指定を受けた企業が5年間の所得を積み立て、特区内で設備投資や建物の建設に再投資する場合に適用する。被災者を5人以上雇い、総額1千万円以上の人件費を払うといった要件なども課す。租税回避目的の利用を防ぐため対象は特区内に本社があり、特区外に事業所がない企業の新設に限定する。人件費の税額控除など他の税優遇策との併用はできない。

 

復興特区制度の概要
■復興特別区域の指定
  • 対象は東日本大震災で一定の被害が発生した200超の地方公共団体
  • 地方公共団体が復興計画を作成、国に認定を受ける
■特区の特例措置
  • 規制と手続き(企業の漁業参入、バイオマスエネルギー施設開発)
  • 土地利用(都市計画手続きワンストップ処理、農地転用の規制緩和)
  • 法人税減税、利子補給など
■国と地方の協議会設置
  • 自治体から国に支援措置を提案
■復興交付金の創設
  • 自治体が自由に使える資金を交付

 企業の所得を非課税とする仕組みのため、初年度から利益を上げられる企業の利用を想定。一定の顧客を持つ大企業が特区内に別法人を設立したり、地元の中小企業がグループで起業したりすることが考えられる。

 「強力な法人課税の特例措置」を要望していた公明党に配慮し、安住淳財務相が検討を指示した。11日にも開く政府税制調査会で正式決定する。

 復興特区は政府の復興基本方針に盛り込んだ目玉政策。被災した200超の市町村が復興計画を作り、認定を受ける。優遇税制のほかに、町づくりに伴う土地利用規制の緩和や手続きの簡素化、民間企業の漁業参入や自然エネルギー促進のための規制緩和などが柱。

 土地利用では、津波被害を受けた住宅地を高台の農地などに移転するため、農地法や農業振興地域整備法、都市計画法などの特例措置を設ける。農地転用にかかる様々な規制を緩和する。複数の省庁にまたがる手続きも一本化する。

 復興庁と他の省庁の「二重行政」を避けるため、復興事業の実施は国交省など各省庁が手掛け、復興庁は自治体の要望の集約や省庁間の調整に専念する。復興相に他省庁への勧告権限を付与。復興事業を束ねる「司令塔」とする構想だ。

 

政府のエネルギー・環境会議は7日、原子力や火力など電源別の発電コストを再計算する「コスト等検証委員会」(委員長・石田勝之内閣府副大臣)の初会合を開いた。太陽光など再生可能エネルギーまで含めて発電コストを試算し、原発の立地対策費など各電源の普及にかかる政策経費も勘案する。年末までに検証結果をまとめる方針だ。

 これまでも政府は発電コストを試算していたが、算定基準や試算時期がばらばらだった。今回の検証委のコスト試算は、火力や原子力といった電源だけでなく、太陽光、風力など今後の増加が期待される再生可能エネルギーまで含め、比較できるようにする。

 

sun関西大学の石川正司教授と日産自動車は、数分で急速充電できる電気自動車(EV)用電池の基盤技術を開発した。蓄電装置(キャパシタ)の電極材料などを工夫し、充電に時間がかかるリチウムイオン電池の代わりに使う。1回の走行距離が10キロメートル程度の、街乗り用EV向けの実用化を想定している。

 現在EVに搭載されているリチウムイオン電池は高容量だが充電に8時間かかるタイプもあり、使い勝手に課題がある。新技術は電気を一瞬だけためるキャパシタを改良。急速充電できるキャパシタの特徴と、高容量の電気をためられる蓄電池の性質を併せ持つ新電池に道を開く。

 石川教授らはキャパシタの電極に、従来の炭素の代わりにタングステンやバナジウムの酸化物の複合体を使った。直径数十マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル、長さ数ミリの針が電極表面を覆う構造にし、電気抵抗が低く高容量にできた。

 性能を確かめる基礎実験では10分以内に高速充電でき、容量や電圧などはリチウムイオン電池並みを実現した。繰り返し使ってもほとんど劣化しなかった。理論上は3分以内の充電が可能とみており、材料や構造の一層の工夫を進める。実用化には耐久試験なども繰り返す必要があるため10年程度かかるとみている。新技術を使えば商店などの充電スタンドで、EVを給油のように短時間で充電できるようになるとの期待がある。

 

sun韓国サムスングループでリチウムイオン電池世界首位のサムスンSDIは2012年4月をめどに、住宅用リチウムイオン電池で日本市場に参入する。電池の制御装置を手がけるニチコンと提携し、太陽電池などを組み合わせたシステムにして販売する。節電需要の高まりを背景にパナソニックや東芝など日本勢も住宅向け製品の投入を急いでいる。国内の競争激化で消費者の選択肢が増えそうだ。

 サムスンSDIとニチコンは5日、サムスンSDIのリチウムイオン電池をニチコンが国内で独占販売する契約を結んだ。韓国から全量を輸入し、ニチコンが同社の制御装置や国内メーカーから調達する太陽電池と組み合わせて販売する。フル充電で平均的な家庭の1日分の電力をほぼ賄える容量10キロワット時程度の電池を投入する見込み。

 太陽電池や蓄電池を組み合わせて家庭の消費電力を抑える「スマートハウス」が国内で普及し始めており、消費者の人気も高い。価格は1台数百万円と日本勢とほぼ同価格となる見通し。

sun拡大表示へ 電力会社E.ONのブース

 

数はまだ少ないものの、街でEV(電気自動車)用充電ボックスを見かけることが増えてきた。今後予想されるEVの普及は電力会社にとってまたとないビジネスチャンスだが、このような充電ボックスを用いた「電気を売る商売」は現在のところ難しいという。

 それでは、EV社会の到来を前に電力会社はいったいどのようなビジョンを描いているのだろう。この9月に開催されたフランクフルト国際モーターショーでドイツの大手電力会社E.ON(エー・オン)を取材した。

●サービスとしての充電ボックス

 充電ボックスでの売電が商売にならない理由は採算性にある。

 道沿いや駐車場の充電ボックス設置には8〜10万ユーロ(820万〜1030万円)の費用がかかる。現在普及している230V三相交流の充電ボックスだと小型EVを満タン充電するのに5〜6時間ほどかかるが、それで得られる売電収入は5ユーロ程度、収益にすればわずか数十セント。充電ボックスを1カ所に集め、ガソリンスタンドならぬ「充電スタンド」を建てたとしても収益が少ないことは同じで、数分間の給油で数十ユーロを売り上げるガソリンや軽油のようなわけにはいかない。

 ただし、充電効率の優れた高速直流充電なら可能性はありそうだ。

 「日本のシャデモ方式の高速充電ならば商売になるかもしれません。15分で80%の急速充電ができるなら実用的です。確か『お茶を飲んでいる間に充電できる』という日本語ですよね」(E.ON担当者)

 担当者が言いたかったのはCHAdeMO(チャデモ)方式のこと。これは日本の急速充電インフラ普及を推進するため、自動車会社、充電器メーカーおよびこれを支援する企業・行政などによって組織されたCHAdeMO協議会が標準規格として提案する急速充電器の商標名である。「CHArge de MOve=動く、進むためのチャージ」「de=電気」また「クルマの充電中にお茶でもいかがですか」の3つの意味を含んでいる。昨今、世界でさまざまな日本の単語が使われているが、EV業界ではこんな言葉も通じるようになった。

 さて、現段階では充電ボックスは商売にならないということだが、実際には街中で充電ボックスを見かけることがある。また、EV社会の未来を描いたE.ONのPRビデオにも多数登場するのだが、このギャップはどう理解すればよいのか。

 「PRビデオをよく見ていただければ分かるのですが、充電ボックスの設置を想定しているのは、ショッピングセンターの駐車場や社員駐車場などで、商売ではなくサービスとしての設置です」(E.ON担当者)

 ショッピングセンターなら買い物客のサービス用。環境関連企業ならば社員駐車場や顧客駐車場への設置が考えられる。また、カーシェアリングであれば街中に充電ボックスを設置する必要があるはずだ。このように充電ボックスの活躍する場は多いが、今のところ売電で商売することは想定していない。

●家庭で安全充電

 それでは電力会社はEVをどのようにビジネスと結び付けるのか。

 「自宅のガレージで、安心して充電できる設備の普及をメインに考えています。家庭用のコンセント(230V交流)をそのまま使うことも可能ですが、安全性の観点からドイツ自動車工業会(VDA)は推奨していません。E.ONはさまざまな車種の充電プロトコルに対応できるガレージ用充電ボックスを開発し、この10月から販売と設置サービスを始めます」(E.ON担当者)

 E.ONがガレージ用充電ボックスに力を入れる理由は他にもある。同社はEV充電事業の開始を前に2009年からミュンヘン市でBMWグループと共同の社会実験を行っている。100台のMINI-E(MINIのEV仕様)をモニターに利用してもらい、EVの利用や充電について実地データを得るのが目的だ。

 その結果明らかになったのは、EVを通勤で利用するモニターは職場(あるいは職場近く)の充電ボックス利用が非常に少ないということ。初めのうちは頻繁に利用するのだが、徐々になくなる。というのも、自宅のガレージで一晩充電すれば通勤の行き帰り+買い物+日常の用事といった1日の走行には十分なので、あえて職場で充電しななくてもいいのだ。

充電するには重いコネクタの抜き差しが必要だから毎回2〜3分はかかる。たいした手間でないとしても毎日となれば面倒だし、あえてやらなくていいのならば当然そうなる。職場駐車場での充電が無料なら魅力的だが、それでも1日数十セント得をするだけなので、倹約家でなければ長くは続きそうにない。

●スマートハウスとの融合

 E.ONがガレージ用充電ボックス普及の先に描くビジョンは、EVとスマートハウスの融合だ。ITや新たな技術を用いて、再生可能エネルギー電力を最適に利用できる社会システムがスマートグリッド。そして、スマートグリッドに最適化した住宅やビルがスマートハウスと呼ばれるもの。

 融合を具体的にイメージすると次のようになる。

 通常はスマートハウスからEVに電力を送る(充電する)のだが、例えば風が弱く風力発電量が少ない時は逆にEVの電力をスマートハウスで使用する。社会全体の発電と電力消費のバランスを最適化できるだけでなく、電力価格の高い時間帯に「EVの電力を売電」すれば、スマートハウスの住人はもうけることができる。

 E.ONは2008年から検討を始め、2011年から20台のEVを用いた実験を行っている。担当者の話によると、EVメーカーはEVをスマートハウスの電源として使用することに及び腰だという。なぜなら蓄電池の寿命が縮むことを心配しているのだ。

 スマートハウスとの融合は1つの例だが、EVを巡っては次々と新たなアイデアが生まれその実証実験が続けられている。問題や課題も山積しているが、実用化は秒読み段階に入ったといって間違いない。

【松田雅央,Business Media 誠】

sun英国北西部リバプールから数キロメートル沖合へ船が進むと、25基の風車が姿を見せる。平均風速9m/sの北風を受け、独シーメンス製風車が回る。風速14m/sの風が吹けば、出力は最大の3600kWに達するという。 洋上風力発電所「バーボバンク」は総出力9万kW。デンマーク電力大手、ドン・エナジーが運営する。年間3億1500万kWhの発電量と、20年で640万トンの二酸化炭素(CO2)削減を見込む。

 これは英国の洋上風力事業のほんの一部。例えば、現在操業する洋上風力発電所としては世界最大規模を誇るザーネット発電所は、出力30万kW。スウェーデン電力大手のバッテンフォールが運営し、デンマークのヴェスタス製風車が100基並ぶ。建設費用は8億8000万ポンド(約1110億円)に上る。

英国リバプールの沖合約7kmの海上に25基の風車が並ぶバーボバンク発電所。政府系組織クラウンエステートが2001年に入札した「ラウンド1」事業の1つ

英国リバプールの沖合約7kmの海上に25基の風車が並ぶバーボバンク発電所。政府系組織クラウンエステートが2001年に入札した「ラウンド1」事業の1つ

 

■英国の本音は経済対策、投資と技術を呼び込む

 2001年、政府系組織が海底借地権を洋上風力発電事業に貸与する入札「ラウンド1」を始めた。それ以後、2010年に発表したラウンド3までの3回の入札に合計41事業が応札。総出力は4880万kWだ。今後、少なく見積もっても年間50万kWの増設が続き、3つのラウンドが予定どおり進めば、2050年の年間発電量は2000億kWh弱に及ぶ(グラフ1の「レベル2」を参照)という。英国の意気込みは半端ではない。なぜ、英国は洋上風力に力を注ぐのか。政府が、2020年までに温暖化ガス排出量を1990年比で34%削減すると決めたのが2008年。その翌年、2020年までに電力消費の31%を再生可能エネルギーで賄うと定めた。

 しかし、こうした気候変動対策だけが政府の主眼ではなく、「エネルギー安全保障と経済対策としての期待が高い」(風力発電事業者団体・リニューアブルUKのマリア・マカフェリー代表)。

 

[左]グラフ1 英国における洋上風力による発電量の予測  投資や技術開発の進展度合いが異なる4つシナリオに基づいて予測している。出所:英エネルギー気候変動省「2050 Pathways Analysis 」2010年。
[右]グラフ2 英国の2050年までの電源構成シナリオ  「電力会社、産業、家庭などが理想的な低炭素化投資を進めた場合」を想定したもの。出所:英エネルギー気候変動省「2050 Pathways Analysis 」2010年。

[左]グラフ1 英国における洋上風力による発電量の予測  投資や技術開発の進展度合いが異なる4つシナリオに基づいて予測している。出所:英エネルギー気候変動省「2050 Pathways Analysis 」2010年。
[右]グラフ2 英国の2050年までの電源構成シナリオ  「電力会社、産業、家庭などが理想的な低炭素化投資を進めた場合」を想定したもの。出所:英エネルギー気候変動省「2050 Pathways Analysis 」2010年。1980年代に英国は北海の石油と天然ガスでエネルギー自給率100%を達成したが、その後生産量が激減。2005年には輸入国に転じた。そんななか電力供給の90%を担う火力と原子力の4分の1が2020年までに寿命を迎え、運転を終える。これを補う役割を再生可能エネルギーに与えようというのだ。

 

産業革命の先駆けとなった英国も、現在はGDP(国内総生産)に占める製造業の割合が11.1%(2009年)まで縮小。自動車に匹敵する部品数の風車に、国内製造業の活性化と雇用創出、そして新たな輸出産業になり得る成長の芽を見出した。

 

■コスト減へ開発も支援、洋上ならではの技術課題も

 英国のもくろみは海外から投資と技術を呼び込むことだ。政府は2009年、洋上風力関連の技術開発に1億2000万ポンド(約150億円)の投資を発表。シーメンスや米ゼネラル・エレクトリック、スペインのガメサが工場設置を決めた。三菱重工業の欧州での原動機製造拠点、MPSEも、最大1億ポンドを投じて技術開発拠点を置く。政府は2014年までに200人の雇用創出を見込み3000万ポンド(約38億円)を助成する。

 英国北東部ニューカッスルには、投資の呼び水となる研究所がある。国立再生可能エネルギーセンター(NAREC)がそれだ。ここでは、長さ50メートル(m)の風車ブレード(羽根)について耐久性を検査できる施設の提供から、系統接続技術の開発、保守技術の普及、関連企業の育成など風力産業の発展を多方面で支援する。

 風力発電設備メーカーはブレードの大型化に挑む。大型化による出力増は発電コストを引き下げる。NARECでは全長100mまでのブレードにも対応できる品質検査施設を建設中だ。「完成前からメーカーの引き合いがある。出力増と耐久性の両立は課題の1つだ」(NAREC)。

 

ザーネット発電所の建設時の様子(写真提供:ヴェスタス)

ザーネット発電所の建設時の様子(写真提供:ヴェスタス)

 洋上ならではの課題も多い。例えば操業中の海域の水深は5m前後。ラウンド3の海域の水深は30m以上だが、この深さでの設置技術の開発は道半ば。建設作業を進める専用船の開発や船舶の運用なども解決すべき課題だ。

 いっそうの資金と技術の投入が欠かせないが、2011年5月、政府の諮問機関である気候変動委員会は、2030年時点の発電コストを理由に、投資の速度を緩め、低コストの原子力を全電源の40%まで引き上げるよう提言した。一方、国内では風車の一大製造拠点への可能性に期待が膨らむ。低炭素社会づくりと新産業育成に向け、どこまで投資負担を許容できるか、産業革命が始まった国の判断が注目される。

(日経エコロジー 馬場未希)

 

 

東海、東南海、南海の3つが連動する巨大地震が現実味を帯びてきた。3つが同時発生した1707年の宝永地震では、今の大阪・難波周辺にも津波が押し寄せ、多数の死者が出たという記録が残っている。神戸市でも、2~3メートルの津波が来た痕跡が地質調査で見つかった。

 

東日本大震災による液状化で首都圏の河川堤防も大きく損傷した(千葉県浦安市、首都大学東京の青山雅史客員研究員提供)
 

東日本大震災による液状化で首都圏の河川堤防も大きく損傷した(千葉県浦安市、首都大学東京の青山雅史客員研究員提供)

 3つの大地震は100~150年間隔で繰り返し、3回に1回の割合で宝永のように巨大になる。高知大学の岡村真教授は「次は宝永級になる可能性が高い」とみる。さらに震源が南に広がり、最悪の場合は5つの大地震が連動する危険も指摘されている。東京大学の古村孝志教授の試算によると、津波の高さは3連動の1.5~2倍になる。

■大阪で震度6弱も

 揺れも東日本大震災より大きくなる。1946年の南海地震では大阪市の震度は4で、建物の被害はほとんどなかった。3つ以上が連動すれば、大阪府の大半や奈良県の一部が震度6弱、京都や滋賀も含めた広い範囲で5強になるとみられる。

 国の中央防災会議は2010年4月、東海、東南海、南海が連動したときの被害想定を公表。近畿2府4県で、死者約4800人、全壊家屋7万余りと見積もった。しかし、東日本大震災を受け「想定が甘い」と見直し作業に着手した。

 震度5強以上になると、地盤の液状化が発生する。怖いのは河川堤防の損傷や沈下だ。そこへ津波が押し寄せれば、簡単に決壊してしまう。東日本大震災では、関東地方の10の河川で堤防の損傷が900カ所以上も見つかった。台風シーズンと重なれば、大雨による二次災害も予想される。関西では淀川の河口部など一部の堤防は耐震化済みだが、手つかずの場所も多い。

 東日本大震災で大阪府の咲洲庁舎が被害に遭った長周期地震動。日本建築学会の調査では、大阪平野では東南海・南海地震が連動したときより超高層ビルの揺れが5割増すという。

 東日本大震災の教訓はハードによる対策の限界が明らかになったことだ。しかし、被害を減らすことはできる。京都大学防災研究所の井合進教授は「被害が甚大になるところから少しずつ対策を進める必要がある」と主張する。

 河川堤防の場合、河川氾濫時の被害が大きい地形かどうかや人口密集地かといった基準に沿って優先順位をつけるとよい。被災後の緊急輸送路としての機能を保つには、高速道路や幹線道路の耐震化はもちろん、その上をまたぐ跨道橋(こどうきょう)の補強も優先課題だ。井合教授は「厳しい財政状況でも、効果的な対策はできる」と言う。

■被災後の戦略必要

 被害を減らす一方で、被災後をにらんだ戦略も必要だ。連動地震で大きな被害が予想される愛知県や高知県は仮設住宅の候補地選びを進めている。東日本大震災では用地確保が難航し、宮城県気仙沼市は岩手県一関市に建設した。被災地から遠いと、復興の妨げになりかねない。

 次の東海、東南海、南海地震の発生確率が高いのは2030年代。まだ先のようだが、対策を講じるには、残された時間はそれほどない。(編集委員 青木慎一)

 

sun経済産業省は家庭用燃料電池「エネファーム」の導入に対する補助金制度を3日から再開する。東日本大震災後の電力供給不安を受けてガスから電気と熱をつくり出せる燃料電池の人気が高まり、2011年度の当初予算で用意した86億円の財源は7月7日に枯渇した。経産省は他の予算の流用で39億円を捻出し、家庭部門の燃料電池に対する需要増に対応する。

 補助事業は09年度に開始。燃料電池を設置する家庭に対し、今年度は105万円を上限に補助していた。販売価格が200万円台半ばの商品も多い燃料電池の購入は補助金頼みの面が強く、予算の枯渇は市場拡大の足かせとなっていた。

 再開する補助金は販売価格の低下に伴い、上限を85万円に下げるが、予算が枯渇した当日に申請していた家庭には105万円を補助する。経産省は11年度第3次補正予算案にも同程度の予算を要求。12年度予算でも96億円を要求している。メーカーが発電効率の高い新機種を投入するなど、家庭用分散型電源としてエネファームは市場の拡大が期待されている。

前の10件 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10

profile

タツミ屋根企画
(株)タツミ屋根企画(公式HPへ)

都知事許可(般-23)第93871号
住所 町田市小野路町2170-2
電話 042-711-7210
ファックス 042-711-7211

カレンダー

2018年2月

日曜日 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28