2011年11月アーカイブ

 

オンキヨーは小型の風力・水力発電機に使うモーター事業に参入する。同社のスピーカー技術を応用して発電機の中核部品を開発、2013年にも既存製品より安価で発電効率が高い小型モーター=写真はイメージ=を実用化する。主力のAV(音響・映像)機器やパソコン事業が苦戦するなか、市場拡大が見込める環境・エネルギー分野を開拓する。

 

 

 スピーカー生産を手がける三重事業所(津市)で小型モーターを製造する方針。このほど製品化にメドを付けた。一部の風力発電機メーカーから引き合いがあり、共同開発も検討している。スピーカーは磁石とコイルを組み合わせて振動を生みだし、音に変える仕組み。同様の部材を使い、風や水流の力を利用して電気をおこす小型モーターも製造することができるとみている。

 1台あたりの発電量は既存品の約1.8倍、発電効率は40%弱と、従来の2倍以上に高めたモーターを投入。モーターの磁石には通常、ネオジムなどレアアース(希土類)を使うが、オンキヨーはこれをレアアース以外の鉱物で代替できる新技術を開発。製造コストを下げ、価格も既存品の半分に抑える。

 大型の風力・水力発電用モーターは大手機械メーカーが手がけ参入が難しいが、小型用は競合が少なく新規参入で収益が得られると判断した。オンキヨーは高級コンポやパソコン、タブレット端末などが主力だが、景気低迷で伸び悩む。中長期的な成長が見込める新分野の需要を取り込み、業績回復につなげる。

 

sun今夏に続き、電力需要が高まる今冬も、各家庭で節電に向けた努力が求められている。ただ、夏と比べて節電を求められる時間帯が長くなるうえに、震災から続く節電生活への「疲れ」もあって、家族全員で協力できるか戸惑う家庭も多い。せっかく根づき始めた節電意識、今冬も継続できるだろうか。

 

 

重ね着や湯たんぽなど昔ながらの手法で冬の節電に備える家庭も(東京都東村山市)

重ね着や湯たんぽなど昔ながらの手法で冬の節電に備える家庭も(東京都東村山市)

 「この冬もかと思うとぐったりする」。妻と会社員の息子、94歳になる母親の4人で暮らす兵庫県宝塚市の男性Aさん(67)は心情を漏らす。今夏はAさんの提案で日中は家族それぞれが外出し、エアコンの使用を大幅削減。高齢の母親にも週4回は近くの図書館に通ってもらい、平均して毎月20%以上の電気代を削減できた。

 ただ、今後は電気代の値上げが懸念されるうえ、来年、再来年などの電力復旧の見通しも示されていない。被災地のためにも今冬は何とか暖房の使用を控えた生活を続ける予定だが、「これから何年先まで続ければいいのか展望すらない。正直言ってつらい」とこぼす。

 

なぜ我が家だけ

 

 小林製薬が20~50代の男女824人に実施した「2011年 風邪対策と節電に関する実態調査」では、全体の8割が今冬も節電が必要と回答した。節電のために使用を控える家電はエアコン(82.6%)、ホットカーペット(57.1%)などの暖房器具が上位を独占。快適な生活の一部を我慢することになっても、何とか節電に協力しようとする意識は高まっている。

 ただ節電のためには、家族みなの協力が不可欠だ。都内に住む専業主婦のB子さん(31)は「節電は手間がかかるし生活にも不都合が生じる。最近は震災当時のことを振り返ることも少なく、家族の協力が得られるかわからない」と話す。

 今夏は暑さを我慢して協力したが、周りを見渡すと全く節電に協力していない人も目立つ。「なぜ我が家だけが」と家族から不満の声が漏れる。「集合住宅の照明が消され、自転車置き場には不審者が寝泊まりしていた。ばったり会って本当に怖かった」と、B子さんは防犯面での不安も募らせている。

 今冬の節電が必要とされる期間は12~3月(夏は7~9月)。ピークとされる時間帯も夏は日中から夕方までだったのに対し、冬は朝と夕方の2回あり、時間帯も午前9時から午後9時までと長時間の節電協力が必要とされる。また関西電力管内で10%以上、九州電力管内で5%以上など、節電が求められる地域は広範囲に及んでいる。

 冬の節電では夏と違った健康面での注意点もある。冬は浴室と脱衣場、リビングとトイレなど部屋ごとの気温差が大きくなりがち。急激な寒暖差で血圧が急上昇し、心臓や血管にダメージを与えることもある。78歳の母親と同居する都内の自営業の男性(55)は「高齢の母親のことを思っていつも家全体の保温を考えている。節電に協力するのは難しい」と語る。

 ではこれから本格化する冬の電力不足を家庭で乗り切るためにはどのような工夫が必要なのか。

 一般に節電というと、エアコンの使用を控えることが頭に浮かび、石油ストーブや電熱ヒーター、コタツなどに買い替えて対応する家庭が多い。

 

買い替えは不要

 

 しかし、一般社団法人地球温暖化防止全国ネット(東京都千代田区)の菊井順一専務理事は「気温が氷点下にならない地域では、エアコンの方が効率的に暖まる場合が多い。特別に暖房器具を買い替える必要はない」と指摘する。

 ひのでやエコライフ研究所(京都市下京区)の試算では、原油高の影響もあって、石油ストーブの暖房コストはエアコンの2倍を超える。二酸化炭素(CO2)発生量も増えるため温暖化対策にもつながらない。菊井専務理事は「鍋料理など温かい食べ物で体感温度を上げたり、厚着をしたり、古くからある寒さ対策を生かすのが効果的」と話す。

 すでに昨年から石油ストーブや電気カーペットの使用を控え、節電、省エネに取り組んでいるのは東京都東村山市に住む主婦Cさん(40)。「服を重ね着したり、湯たんぽを使ったりすれば、思いのほか無理なく乗り切れた」と振り返る。

 Cさんの家庭では、たまたま子どもが暖房器具にぶつかりケガをしそうになったため、昨年から使用を控えている。3歳と4歳の息子たちには二重の靴下、毛糸のパンツ、腹巻きを着せている。子どもたちからも暖かいと好評で今年は湯たんぽも3つ買い足し、本格的な冬の到来に備えている。

 家庭での節電に詳しい東京大学生産技術研究所の岩船由美子准教授は「一般に冬場は夏に比べ電力需要が逼迫する日は少ない」と語る。その上で「暖房器具を買い替えなくても、炊飯器や便座の保温をやめる程度で十分な節電につながる」と、無理な我慢をしない節電を呼びかけている。

 

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sun国内の住宅用太陽光発電システムの価格が下落している。出力1キロワット当たりの平均価格は直近1年間で約1割低下、中核部品である太陽電池モジュールも2割以上値下がりしている。価格競争力に勝る欧州やアジアの海外メーカー製品の流入拡大が要因。コスト低減で太陽光発電普及へ期待が高まる一方、価格競争の激化は国内太陽電池メーカーの収益低下につながる懸念もある。

 

 

 太陽光発電普及拡大センターによれば、2011年7~9月の国内住宅用太陽光発電システムの平均価格は前年同期比8.5%下落の1キロワット当たり52万9000円で過去最安となった。06~09年は同60万~70万円で推移したが09年の補助金制度再開後、導入量拡大に合わせ価格低下が進んだ。

 太陽光発電システムのコストは太陽電池モジュールが全体の5割、工事費と周辺機器がそれぞれ4分の1を占める。工事費や周辺機器の価格はあまり変化しておらず、システム価格の低下はモジュールの値下がりによるところが大きい。ある流通業者は「メーカーからの引き渡し価格は、直近1年で2~3割下がり同17万円程度になった」と証言する。

 背景にあるのは海外製品の流入拡大だ。11年1~6月の国内太陽電池出荷に占める輸入品の割合は半期では過去最高の18%となり前年同期比7ポイント上昇した。欧州や中国の太陽電池大手は日本勢に比べて生産能力も大きく、円高もあって競争力を高めている。太陽電池の海外スポット価格は国内より大幅に安く、「今春以降国内製品より3~4割安い海外製品も流入している」(関係者)。

 海外メーカーは国内営業体制も強化している。世界第5位の独Qセルズは今春、日本国内の代理店網の構築に着手。すでに工務店など75社が代理店となった。中国に生産拠点を置くカナダの太陽電池最大手カナディアン・ソーラーも12年までに東北や九州に営業拠点を新設、12年の国内出荷量を10年比7倍超の15万キロワットに引き上げる計画だ。

 価格競争の激化で国内メーカーの収益は低下している。シャープの太陽電池事業は海外事業の不振などで11年4~9月期は営業赤字。京セラは同期の太陽電池事業は黒字だが前年比で減益となった模様だ。

 成長が続いてきた世界の太陽電池市場は今年減少に転じた。世界市場の8割(10年実績)を占める欧州で、ドイツなどが太陽光発電向けの導入支援策を相次ぎ縮小したため。11年の世界市場は10年比2割減少するとの試算もある。

 一方、日本市場は補助金制度と、来年から始まる再生可能エネルギーの全量買い取り制度の後押しで成長が見込まれる。11年1~6月の太陽電池出荷量は前年同期比3割増の54万キロワット。通年でも前年を上回る公算が大きく、今後も欧州やアジア勢の進出が加速しそうだ。野村証券の横山恭一郎シニアアナリストは「海外製品の流入で少なくとも12年初頭まで国内システム価格の下落は続く」と予測する。

 

sun東京ガスは2日、正興電機製作所と共同で停電時でも運転が継続する家庭用燃料電池「エネファーム」を使った発電システムを開発したと発表した。

 エネファームは発電のために一定の電力が必要で、東日本大震災発生時には計画停電などにより発電が停止した。東ガスなどは外付けの蓄電池を組み合わせエネファームによる発電を続けることを可能とした。2012年2月から販売を開始する。

 新システムの補助金なども含んだ実質的な購入者負担は約300万円。既設のエネファームのそばに後付けで設置することもできる。

 停電など非常時にでも、照明やテレビ、冷蔵庫など最低限、家庭で必要な電気を24時間供給できる。

 

sunプラントメーカーがバイオエタノールの製造関連装置を相次いで増産する。日立造船は脱水に使う特殊な膜の生産能力を従来の10倍程度に増強、三井造船は2倍強に引き上げる。穀物などを原料とするバイオエタノールは、石油代替燃料として各国が導入拡大に取り組んでおり、世界生産量は5年後には4割増える見込み。プラント各社は日本が強みを持つ素材技術をいかし、拡大する需要を取り込む。

 

 

三井造船は子会社の拠点でゼオライト膜を増産する
 

三井造船は子会社の拠点でゼオライト膜を増産する

 両社はそれぞれ「ゼオライト膜」と呼ばれるバイオエタノールの製造装置を増産する。サトウキビやトウモロコシなどからつくったエタノールから水分を取り除き高純度にするために使う。同様の素材を使った粒で水を吸着する従来手法に比べ、エタノールの回収効率が高い。日本のプラントメーカーだけが手掛けており、独自技術として売り込む。

 日立造船は来年3月末までに築港工場(大阪市)にゼオライト膜の量産設備を設ける。月産能力は2000~3000本。従来の10倍程度に増え、ゼオライト膜を集めた脱水装置の販売を本格展開する。投資額は数億円規模。

 従来は築港工場の研究所内にある試験的な設備で生産してきた。販売先は国内外でバイオエタノールを研究開発する実証試験施設にとどまっていたが、バイオエタノールの有力生産国である米国での本格展開には大幅増産が必要と判断した。2016年度に年60億円の売上高をめざす。

 三井造船は産業機械を手掛ける子会社、三井造船マシナリー・サービス(東京・千代田)の大阪事業所(大阪市)でのゼオライト膜の生産設備を1億円強を投じて増強した。月産能力を5000~6000本と、従来の2~3倍に引き上げた。欧米を中心に売り込み、15年度に年10億円の売り上げをめざす。

 経済協力開発機構(OECD)によると、バイオエタノールの世界生産量は16年に1億3700万キロリットルと現状に比べ4割拡大する見込みだ。バイオエタノールの普及を政策で後押ししている米国を中心に製造関連装置の需要も急拡大している。脱水装置の世界市場は数百億円で、同燃料の需要の成長にあわせて伸びるとみられる。

 

sun経済産業省は省エネ規制を抜本的に見直す。工場や店舗のエネルギー総使用量に焦点をあてて効率改善を求めてきたが、今後はピーク時の使用量抑制に軸足を移す。電力不足の長期化をにらみ、自家発電や蓄電池などの活用を促す狙い。家庭のエネルギー消費を抑えるため、新たに住宅建材に省エネ規制も導入する。来年の省エネ法改正をめざす。

 

 

 11月上旬に総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)省エネ部会で議論を始める。来年の通常国会に省エネ法の改正法案を提出する方向で検討している。

 省エネ法改正の柱の一つがエネルギーの最大使用量の抑制。年間で最大になる夏季の使用量を抑えるだけでなく、それぞれの季節で最大使用量を抑制、年間を通じてエネルギー使用量が大きく変動しないようにする。このために必要な対策の目標設定を事業者に促す。

 現在はエネルギー効率について年平均で1%の改善を求めている。新たな対策に取り組む事業者には従来の改善目標を緩める方向。太陽光パネルの設置、夜間に蓄電池にためた電気の昼間使用、コージェネレーション(熱電併給)システムなどの導入を促す。

 1970年代の石油危機を教訓に制定した省エネ法には、ピーク時のエネルギー使用量を抑制する発想がない。原発の再稼働のメドは立たず電力の供給力不足は長期化する見通し。最大使用量を抑えなければ大規模停電の不安がつきまとうため、省エネ政策を転換する。

 法改正のもう一つの柱が家庭やオフィスなど民生部門の省エネ強化。断熱材、窓、浴槽などの建材を「トップランナー制度」の対象に含めることを検討する。同制度は各品目で最も省エネ性能が優れた製品の水準に3~10年で追いつく製品をつくるように義務付けるもので現在は乗用車、テレビなど23機器が対象だ。日本のエネルギー消費を第1次石油危機が起きた73年と09年で比べると、産業部門は0.85倍と減少したが、民生部門は2.4倍に膨らんでおり、民生部門の省エネ強化が不可欠になっている。

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