2011年10月アーカイブ

 

sunリチウムイオン電池を開発・生産するエナックス(東京・文京、三枝雅貴社長)は、来年から大型の定置型蓄電池の生産を始める。自治体の施設や病院などへの販売を見込む。第1弾として、蓄電能力200キロワット時の電池の自治体施設への納入を決めた。需要拡大が見込まれる定置用電池の市場に参入し、売上高の拡大を目指す。

エナックスのリチウムイオン電池の内部。中国で作る電池部材を重ねて使う
 

エナックスのリチウムイオン電池の内部。中国で作る電池部材を重ねて使う

 エナックスはハイブリッド車(HV)向けリチウムイオン電池の研究開発を中心に手掛ける企業として1996年に設立した。今後、生産・販売に注力する方針。愛知県常滑市には来年2月、中国・上海でも現地企業と合弁で来年春に工場を稼働させる予定だ。

 定置型大型リチウムイオン電池は上海に建設中の工場が生産する電池材料を使う。販売価格は1キロワット時あたり20万円程度。納入が決まった蓄電池は一般家庭なら十数軒分をまかなう能力を持ち、公共施設の停電時の緊急電源や、電力需要期のピーク負荷を低減する目的での利用を見込む。

 エナックスが主力とするHV向け量産型リチウムイオン電池は、今後、大手企業との競争が激化すると判断。定置用に進出し、収益源を多様化する。前年度に約15億円だった売上高は2年後に50億円まで広げる計画だが、そのうち10億円前後を定置用でまかなう考え。

 

sun発電電力量の4割を原子力発電に依存してきた九州。福島原発事故の余波を受け、冬場の電力需給は厳しくなりそうだ。12月には九州電力の玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)1、4号機が定期点検で停止。同2、3号機、川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)は再稼働のめどが立たず、九電が保有する6基の原発すべてが停止する可能性が高い。

 九電によると、全基停止した場合の今冬の供給力は1353万キロワット、最大電力需要は1420万キロワットとなり4.7%の供給不足に陥る。これを補うため、休眠中の火力発電の苅田新2号機(福岡県苅田町)の復旧やガスタービンの増設を急ぐ。

 ただ、冬の最需要期である来年1月に間に合うかは難しい情勢。他社からの電力融通を受けたい考えだが、「供給力の大幅な上積みは期待できない」(九電)という。

 このため、大口需要家を対象に最大電力需要が発生する時間帯以外の電気料金を割り引く「需給調整契約」を導入。冬に同契約を導入するのは異例だが、需要を抑制することで電力不足を回避する。九電は5%の節電を要請する見通しで、一般家庭や企業の協力を得て、冬を乗り切りたい考えだ。

 

sun東京電力福島第1原子力発電所事故後、九州でも新エネルギーの普及を目指す動きが広がる。

 

 

火山地帯の九州には豊富な地熱資源が眠る(地熱発電で国内最大の出力を持つ九州電力・八丁原発電所)
 

火山地帯の九州には豊富な地熱資源が眠る(地熱発電で国内最大の出力を持つ九州電力・八丁原発電所)

 その筆頭が太陽光発電。豊富な日照量の恵みを活用しようと太陽光発電設備の世帯当たり普及率は佐賀、熊本、宮崎県が上位3位を独占する。

 電力会社に再生エネルギーの全量買い取りを義務付ける再生エネルギー特別措置法が来年7月から施行されることもあり、メガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設も進む。

 芝浦グループホールディングス(北九州市)は九州リースサービスと組み、出力2千キロワット(2メガワット)のメガソーラーを福岡県嘉麻市に建設する。約7億5千万円を投じ、来夏の稼働を目指す。芝浦グループHDは住宅設備関連事業を手掛け、住宅・産業用など360件、計246万キロワット分の太陽光発電パネルの施工実績を持つ。メガソーラー参入で発電施設の運営ノウハウを蓄積、企業や地方自治体からの太陽光発電設備の建設受注に役立てる考えだ。

 福岡県大牟田市に3千キロワット施設を持つ九州電力。2013年度の稼働を目指し、2カ所目となるメガソーラーを長崎県大村市の火力発電所跡地に整備する計画を進める。九電子会社の九電エコソル(福岡市)は昨年度、福岡空港など向けに太陽光発電設備を相次ぎ受注。同社は設計、施工から維持管理までを一貫して手がけるビジネスモデルを確立、グループ外からの受注拡大を狙う。

 九州が誇るもう一つの自然エネルギーが地熱だ。日本の地熱資源量2347万キロワットと世界3位。このうち約4割は、17の火山を抱える九州に眠っているとされる。地熱発電可能量は原発9基分に相当する規模だ。

 出光興産子会社の出光大分地熱(大分県九重町)は、滝上発電所(同)の熱水利用効率を高め、出力を10%(2500キロワット)上げることに成功。九重町は7月、町が03年に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から譲り受けた地熱発電用の2本の井戸の再調査に着手した。

 23年前、7千キロワットの電力を生み出す熱水と蒸気が確認されたが、実用化には至らなかった井戸。坂本和昭町長は「自然エネルギーの地産地消で地域振興につなげたい」と意気込む。温泉からわき出る比較的低温の熱水を利用した自家発電も各地で広がっており“地熱大国九州”に脚光が集まっている。

 

sun九州経済の動きが活発だ。九州新幹線鹿児島ルートの全線開業は人とモノの流れを加速し、観光、流通など多方面に恩恵をもたらす。基幹産業の自動車の今年度の生産台数は過去最高水準の100万台を超える見通しだ。原発事故を背景に、地の利を生かした太陽光、地熱など新エネルギー関連の取り組みも加速している。九州経済は東日本大震災後の日本経済の復活をけん引する役割を期待されている。

 

 

沿線各県に多大な効果をもたらした九州新幹線(佐賀県鳥栖市)
 

沿線各県に多大な効果をもたらした九州新幹線(佐賀県鳥栖市)

 

 九州新幹線鹿児島ルート(博多―鹿児島中央間257キロメートル)が3月12日全線開業した。博多―鹿児島中央は開業前(在来線特急と新幹線の先行開業区間のリレー運転)に比べて53分短縮の最速1時間19分、博多―熊本は在来線特急比40分短縮の33分になった。

 全線開業から6カ月間(3月12日~9月11日)の新幹線の乗客数は、博多―熊本間が前年同期比38%増と、目標の40%増をほぼ達成した。東日本大震災で出足は鈍かったが、7月以降は好調だった。唐池恒二社長は「尻上がりに利用が増えており、通年では目標を十分達成できる」と話す。熊本―鹿児島中央間は6カ月平均で66%増。時短効果が大きい鹿児島中央発着の高い人気を裏付けた。

 新幹線効果を最も享受したのは鹿児島だ。山陽新幹線と直通運転して、新大阪と鹿児島中央間900キロメートルを3時間45分で結ぶ「みずほ」は、中国・関西方面からの観光客を大幅に増やした。

 鹿児島県の調査によると、7月の県内の主要ホテルなど66施設の宿泊客数は前年同月比24%増と2007年4月の調査開始以来、最高の伸びだった。砂蒸し温泉で有名な指宿が61%増となるなど急増する地域が目立ち、中国地方からの宿泊客が2.5倍、関西からが58%増だった。

 熊本は予想されたほどの新幹線効果は見られなかった半面、福岡に顧客が流出する「ストロー効果」もほぼなかった。「新幹線効果を十分に引き出せなかった」(地元関係者)反省を生かし、熊本では震災の影響で自粛したイベントを10月以降相次ぎ復活させるなど、観光客誘致作戦を強化する。

 熊本以北の近距離駅も苦戦する。JR九州は詳細の乗降客数は発表していないが、「割高感があった」(唐池社長)ことから利用は伸びなかった。そこで10月1日、九州新幹線の新大牟田駅以北の4駅と博多間の割引切符「九州新幹線日帰り2枚きっぷ」を発売した。割引率は20~32%。自由席しか利用できず、有効期間は1日間だけ。九州新幹線の最大の課題とも言える近距離区間の伸び悩みのてこ入れ策として期待しており、乗客数を現在の1.2倍に増やす計画だ。

 これまでのところ、鹿児島と博多に新幹線効果が偏りがち。地域間の連携を進めると同時に、アジア客誘致も視野に入れた戦略が欠かせない。

 

sun宇宙空間に浮かべた大型の太陽電池パネルで発電し、電磁波などに変換して地上に送って利用する「宇宙太陽光発電」の研究が本格化している。実現するのは2030年代後半と予測される夢の技術だが、東日本大震災後に電力供給への関心が高まったことを背景に、にわかに注目が集まり始めた。実現する可能性はあるのか。

 

 

 9月、京都大学宇治キャンパス(京都府宇治市)で、新施設が公開された。宇宙空間の太陽電池から地上に電気を送るマイクロ波送電を地上で再現する実験施設。10億円弱を投じた施設は世界最大という。

 宇宙太陽光発電は1968年、米国のピーター・グレーザー博士が米科学誌「サイエンス」に構想を発表したのが始まり。米航空宇宙局や欧州宇宙機関が研究を開始。日本でも宇宙航空研究開発機構(JAXA)や京都大学が取り組む。

 宇宙太陽光発電の仕組みはこうだ。直径2~3キロメートルの巨大な太陽電池パネルをロケットで打ち上げ、上空約3万6千キロメートルの軌道で広げる。発電した電気は電子レンジなどに使われるマイクロ波に変換。送信アンテナから地表の直径2キロメートルほどの受信アンテナに送る。地上でマイクロ波を電気に戻して利用する。レーザー光で送る方式も候補だ。

 地上と違って天候に左右されず常に発電できる。直径2~3キロメートルのパネル1つで出力は100万キロワット級。原発1基分に相当する。マイクロ波は雲も通り抜ける。京都大学の篠原真毅教授は「技術的には長距離を送電できる。要素技術は今でも使える水準だ」と話す。

 といっても簡単に実現できるものではない。宇宙から地上のアンテナにマイクロ波を届けるのは「ゴルフで4キロメートル先からホールインワンを狙うくらいの精度が必要」(篠原教授)。送信アンテナの角度が0.01度変わるだけで地上では1キロメートルもずれる。京大の新施設では、伝送方法を数年かけて実証する計画だ。コンセント無しでも電気自動車を充電できる装置の開発にも役立てながら、未来技術に磨きをかける。

 もうひとつの難題は資材を輸送する方法だ。日本の主力ロケット「H2A」でも直径2~3キロメートルの太陽電池パネルを1度に打ち上げるのは大変。資材はざっと1万トンで完成に1000回の打ち上げが必要になる。

 そこで国際宇宙ステーションが周回する地上約400キロメートルの軌道にH2Aロケットで資材を輸送。さらに別の輸送機で静止軌道に運んで組み立てる。小惑星探査機「はやぶさ」のような「日本の宇宙技術の結集が不可欠だ」(篠原教授)。

 今後の技術革新で、重い物資を輸送できる新型ロケットが現れ、太陽電池パネルがぐんと軽くなる可能性はある。JAXAなどの試算によると、原発1基分の発電量にあたる太陽光発電所を宇宙に建設するコストは、総額1兆2436億円。一見割高だが天候に左右されない安定稼働によって運転コストが低く抑えられ、発電コストは1キロワット時あたり8.5円。石炭や天然ガスを使う火力発電とほぼ同じ水準で、水力や風力といった自然エネルギーよりも安くなるとみている。

 莫大な建設資材を現地で調達すればいい。そんな将来構想を温めているのが清水建設のグループだ。

 「LUNA RING(ルナリング)」と銘打った計画は、月の表面に太陽電池パネルを敷設する。地球から運んだ月面ロボットが、月にある砂を原料に太陽電池や施設を造る。同社は米国の月探査計画「アポロ」が持ち帰った月の石の研究から、月の砂を地上で再現。その砂からはコンクリートが作れるという。砂は太陽電池の原材料に使うシリコン成分も含み、現地生産の実現性はあるとみる。

 月の赤道面を1周、長さ約1万1千キロメートルで幅12キロメートルの太陽電池を並べると「日本の総エネルギー需要をまかなえる計算」(清水建設の金森洋史宇宙・ロボットグループリーダー)。宇宙関係の国際法からは国際協力が欠かせないが、夢物語ではないと強調する。

 東日本大震災後、節電の意識が高まった。今は奇想天外と思える発想に関心が向かうのも、それだけエネルギー問題が地球の未来に重くのしかかっていることを物語っている。

 

sunパナソニック電工は27日、住宅で使えるリチウムイオン蓄電システムを11月15日に投入すると発表した。これまで扱ってきた産業用に比べて電磁波のノイズを少なくし、住宅内の家電への影響を抑えた。12月15日には太陽光発電から充電できる産業用蓄電システムの受注も始める。

 住宅用は蓄電容量が1.6キロと3.2キロワット時で価格はそれぞれ138万6000円と168万円。

 

NTTドコモとsunKDDIが相次ぎ、携帯電話基地局の多機能化に取り組む。温度・降雨計など気象観測機器を取り付けて観測データを外部に販売するほか、自社サービスの充実にもつなげる。太陽光発電システムを設置して基地局の非常用電源も確保する。契約者の利便性を高め、新たなサービス基盤として育成する狙いだ。

 

 

 

 NTTドコモはこのほど約2500の基地局に気象計を設置。気温、湿度、風向・風速、降水量を測定できるようにした。こうした対応局は2011年度中に約4000局、2~3年以内に9000局程度に増やし、同社の基地局全体の1割をカバーする。二酸化炭素(CO2)や排ガス、花粉量、紫外線、雷なども測定し、同社のサーバーにデータを蓄積して企業や研究機関に外販する。一連の設備に約100億円を投じる。

 一方で、年内にもデータをグラフや地図上に表示するソフトを開発。自社顧客のスマートフォン(高機能携帯電話)向けアプリや携帯電話向け情報サービスとして提供し始める。

 sun約10万の携帯基地局を持つKDDI(au)は気象情報サービスのウェザーニューズと組み、約3000カ所に気象観測設備をこのほど設置した。雨の降り始めや気圧の急激な変化などを即時に自社の携帯電話利用者にメールで知らせるサービスを試験的に実施しており、11月に有料化する。紫外線情報なども提供し「日差しが強い」などの情報を利用者同士が共有する仕組みも用意する。

 またドコモは携帯電話の基地局に太陽光発電システムや風力発電設備を導入し、非常用のリチウムイオン電池の充電や節電に活用する。12年度に10程度の大型基地局に採用。商用電源と組み合わせて基地局を動かす電源に利用する。将来は日照の多い地域から少ない地域に電力を供給するなど、基地局間で電力融通ができるようにする。

 KDDIも11の主要基地局で太陽光発電の試験運用を始めた。非常用電源としての機能などを見極め、他の基地局への拡大を検討する。

 携帯電話事業は国内の契約者が1億人を超え、飽和状態にある。東日本大震災後、バックアップ用電源の確保も課題とされてきた。携帯電話各社はインフラの信頼性を高め、契約数の維持・向上につなげる。

 

sun政府の原子力委員会は25日、原子力発電所の事故賠償などの追加費用が1キロワット時あたり最大1円になるとの試算を公表した。今回の試算は政府が年末までにまとめる発電コスト再計算に織り込む。政府はさらに原発では立地対策費や研究開発費、火力発電では燃料費や温暖化対策費用なども考慮し、年末までに最終的な発電コストをまとめる。原発、火力ともにコスト上昇は必至だ。

 

 

 エネルギー・環境会議のコスト等検証委員会(委員長・石田勝之内閣府副大臣)が東日本大震災前に政府が算出した原子力、火力、再生可能エネルギーなどのコストを年末までに再計算。安全で安定的かつ安価な発電体制の構築に最適な火力や原子力などの電源の組み合わせを定め、来夏にまとめるエネルギー供給の基本計画に反映させる。

 焦点は、東京電力福島第1原発の事故を受け原発コストをどう見直すか。原子力委は東電に関する経営・財務調査委員会の試算に基づき、モデルケースの原発について、事故に伴う賠償、廃炉などの費用を3兆8878億円と仮定。1キロワット時あたり最大1円のコスト上昇要因になるとした。

 使用済み核燃料を再処理する核燃料サイクルの費用も試算した。使用済み核燃料の半分を50年間中間貯蔵してから再処理する現状に近い方式では1キロワット時あたり1.39円。これは従来のコスト試算とほぼ同水準だった。

 従来試算の原発の発電コストは1キロワット時あたり5~6円。今回の試算を単純に上乗せすると、同6~7円だ。従来試算の石炭火力(同5~7円)、液化天然ガス火力(同6~7円)と同レベル。コスト検証委は今回の試算に加えて、立地対策費や研究開発費を上乗せすることを検討している。一部の除染費用や放射性廃棄物の中間・最終処理費用も含まれていないため、コストはさらに上昇する可能性は大きい。

 例えば、日本経済研究センターの試算では、事故に伴う追加費用を10年間で5.7兆~20兆円と推定。原発の発電コストは7.4円から13.3円と算出しており、原子力委の試算結果を上回る。

 原発以外の発電コストも再計算で上昇する可能性が大きい。当面は原発に代わる有力な電源である火力では、今後の再計算で温暖化対策費用や燃料の価格上昇分などを新たに考慮して試算することが固まっている。政府は為替変動や新興国との競合による燃料費上昇分を国際エネルギー機関(IEA)や経済協力開発機構(OECD)の見通しを参考に算出する方針だ。両機関とも今後30年間で石油や天然ガスともに1~3割価格が上昇すると試算しており、火力も大幅な発電コストの上昇が避けられない。

 太陽光など再生可能エネルギーは普及拡大でコスト低下を見込めるが、なお割高。大量の電気を送電網に流すには電圧や周波数を安定させるための追加費用がかかる。

 再計算でどの国際機関の試算や新たな追加費用の範囲を採用するかは、検証委の委員の間でも意見の隔たりは大きい。性格や種類の異なる電源のコスト範囲を半ば強引にそろえようとする作業のためだ。エネルギー政策の見直しでは、コスト比較に加え、燃料の安定確保や環境への影響といった多角的な視点が重要となる。

 

sun日本ガイシが同社製のナトリウム硫黄(NAS)電池を使う顧客に対して、使用を見合わせるよう要請していることが、24日明らかになった。9月21日に三菱マテリアルの工場で発生した火災事故の原因がつかめないため。受注活動も一部でとりやめており、業績に影響が出る可能性もある。

 火災を起こしたのは同社が2009年に生産し、三菱マテリアルが筑波製作所(茨城県常総市)で運転していた製品。日本ガイシは事故調査委員会を設け原因を調査してきたが、「現段階で火災の原因がつかめていない」(同社)という。

 このため、使用中の顧客に運転見合わせを要請した。ただ、顧客によっては自社拠点の操業に不可欠として使用を継続している例もある。日本ガイシ製のNAS電池は工場を中心に国内外で累計約170カ所、30万キロワット分が納入されている。

 関東地区では東京電力と共同で、その他の地域では主に日本ガイシが単独で手がけている受注活動は、一部を除きとりやめている。東北電力の能代火力発電所(秋田県能代市)に12年1月の運転開始を目指して納入予定だった8万キロワット分も、今後の扱いを東北電と協議しているもようだ。

 日本ガイシのNAS電池事業の売上高は12年3月期見通しで280億円と連結売上高の11%を占める。

 

 センサー市場が拡大する主因は蓄電池の普及にある。携帯電話やノートパソコンなどの電子機器だけでなく、車載用などにも使われ始めたことで全体の販売個数を押し上げている。今後、分散型エネルギー機器が普及すれば、市場はさらに広がりそうだ。

 ガソリン車の場合、1台に搭載される温度センサーは10個程度。燃料の噴射口やカーエアコンなどに使われている。これがハイブリッド車(HV)になると、1台あたり15~17個に増える。蓄電池は高温になりやすく、安全確保には過充電を防いだり、電池内部の熱量を監視したりするセンサーが必要なためだ。

 HVの普及でセンサーの販売数量は増大。富士キメラ総研によると、09年の車載用温度センサーの販売数量は世界で4億4000万個だったが、15年には1.8倍に増えると予測している。

 普及のペースが早まっている分散型エネルギー機器にもセンサーは多く利用されている。都市ガスから水素を取り出す燃料電池内の改質機に使われるほか、太陽光発電で作った電気の性質を転換するインバーターにも使われている。

 環境性能に優れた機器での利用は「今年に入ってから急増している」(大泉製作所の坂東茂専務)。蓄電池の部品としての利用のほか、エネルギー機器での活用も見込まれるセンサー市場はさらに拡大しそうだ。

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